アメリカでホームスクールをしているFP家族からのご意見です。
ホームスクールを選択した理由は?
エマが5年生の時、弟のアレックスが2年生の時、ホームスクールを選択しました。ホームスクールをして4年目です。はじめにもらった言葉は、
「家族ごとにホームスクールの仕方が違って良い」という事でした。
これがホームスクールの素晴らしい所であり、難しい所です。年齢や学年を考えて、何を教えるべきかより、まずは子供の興味のある分野から取り組みました。ですから、カリキュラムは多くのリソースから少しづつ取り出して、0から作っていきました。学校に通っていた時、エマの大人びた考えなどを理解し、チャレンジしてくれた先生もいました。そういった先生のクラスだと、エマは本当にのびのびしていました。しかし、エマを反抗的に捉え、クラスの邪魔者扱いする先生もいました。エマの態度は、先生がどれくらい彼女の事を理解し、個別の指導をしてくれるかで変わりました。先生が偉そぶって、イマジネーションに乏しいほど、エマの態度はひどくなっていきました。5年生になる頃には学ぶ事への情熱はなくなってしまい、クラスの中では除け者になり、いじめの対象となりました。毎朝、彼女は起きると泣き、そして、寝る前にも泣いていました。学校で色々な問題が起こり始めました。エマはクラスを抜け出したり、意図的に先生に反抗したりしていました。エマは自分の事を尊重してくれないと感じると、相手が自分の尊重にも値しないと考えます。これは、多くのギフティッドの生徒たちが感じている事かもしれません。エマはどんどん精神不安定になり、そして、弟のアレックスは学校で何も学んでいない事がわかりました。なぜなら、すでに学校で教えられていることは、アレックスが知っている事ばかりだったからです。3歳になる頃には本を読み始め、幼稚園に入る頃には、500ページ以上もあるサイエンスの本を読んでいました。だから、同じ時期に私の子供は二人とも学校への興味がなくなり、チャレンジでもない課題に興味がなくなりました。結果、私たちは学校という場所が時間の無駄であり、そして、彼らの気持ちを傷つける場所であり、通い続ける事によって、二人の学ぶ情熱が失せてしまうのではないかと考え始めました。義理の妹がホームスクールをしているというのもあり、ホームスクールを勧められました。もし、ホームスクールが合わなければ、またその時に考えれば良いと家族で話し合いました。私は、近所にある博物館や美術館、ビーチにいった方が学校よりよっぽど学ぶ事があると思っていました。学習的にはすでに数年先の事を知っていたので、あまり心配はしていませんでした。ですので、1年休学するような思いでした。
ホームスクールの良い点はどこですか。
エマがとてもハッピーになりました。書く事にとても才能があるので、書く事に情熱を持っているメンターに付いて、テクニックだけではなく、書く事の面白さも学んでいました。その結果、ノーベルを書く事もできました。絵を描く事も好きで、自分でデジタルに絵を描く事を学びました。すでに学んでいる事を、何度もやらなくてはならない宿題がなくなったので、自分が好きな領域を探求する事ができました。そういった事は、学校では学べない事ばかりでした。一方アレックスは、自分の情熱を見つけるのに苦労していましたが、学校の環境にいないだけでも、彼は、落ち着いていくことができました。とてもセンシティブな子供ですので、いわゆる「普通」という枠には当てはまらない子です。スポーツには興味がないし、誰がより強いかとかいう事にも興味がありません。私は彼がそういった環境にいない事は良い事だと思っています。それより、誰かのために、自分でない人間になる事をしないで、自分のあるがままを楽しめるというのは素晴らしい事です。チャーリーは学校に行った事がありません。ですから、自然に物事を学んでいます。今、8歳で、自分で読み書き、タイプも覚えました。図書館に行って、自分の好きな本を読み漁っています。週1で、1日中森の中で過ごすネイチャープログラムに参加して、環境や自然のことについて学んでいます。そして、子供たちは一緒に遊ぶので、色々な衝突は起きますが、自分たちで解決することを実践しています。
ホームスクールの大変な点はどこですか。
スケジュールです。詰め込みすぎない事です。私たちはラッキーな事に色々なプログラムが展開している地区に住んでいて、ホームスクールをしている家族が主催者となり、アーティストや、博物館で働いている人を招待して、ワークショップを開催しています。子供たちの興味と能力を考慮して、スケージュールを作成しています。結果、子供たちを色々な場所に連れていく事になり、疲れてしまう事があります。パートタイムで働いてもいますので、全てをこなすのが大変な時があります。そして、どんなホームスクールの家族も必ず感じる事だと思うのですが、「自分は子供のために良い教育を提供しているのだろうか。」「もしかしたら、より良いものが他にあるかもしれない。」「彼らの潜在能力が引き出るためのことはやっているのだろうか。」と思いをめぐらせます。それは、色々な人がホームスクールの事や私たちの選択について聞いてくるからだろうと思います。大切なのは、コミュニティーを見つけて、他のホームスクールをしている家族と知り合いになったり、サポートを得る事です。
誰が計画やカリキュラムを作りますか。
スケジュールは私が作成します。でも、教える事はしません。三人ともサイエンスと数学を教えてくれる塾みたいな場所に週1ペースで通っています。エマとアレックスは歴史と国語はオンラインで学んでいます。この二つが主要科目です。そして、他はそれぞれの興味で変わってきます。演劇やライティングや自然のクラスやプログラミングのクラスです。多くの会社がカリキュラムを販売しています。
政府からどんなサポートを受けていますか。
チャータースクールに登録しているので、政府から金銭面でサポートを受けています。月1で「教育スペシャリスト」と会い、子供が何を学んでいるかを確認します。年に1回、実力テストも受けています。でも、家庭によっては政府からのサポートを得ず、自分たちで全部やっている場合もあります。教育に金銭的な費用でサポートされるという事は良い事だと思います。
ホームスクールをする時の心構えは?
学校では生徒のできない所に焦点を当てる傾向があります。年齢において、どの部分が遅れているか、どんなスキルを習得していないかという所に焦点を置きます。こういった環境だと子供たちは自分のネガティブな面ばかりに目を向け、何ができないかを常に意識しなければなりません。しかし、ホームスクールだと、子供のできるところに焦点を当てる事ができます。エマは素晴らしい小説家だと思うのです。私たちはホームスクールであればこそ、エマの興味を一緒に探求してくれるクラスや先生を探す事ができます。そして、長い目で見た時、彼女の役に立ち、満ち足りた人生を送るのに必要な情熱なども持つ事ができると思います。そして、経済的にも自分で生きていける強さを持つ事ができると思います。アレックスの興味はコンピューターです。プログラミングのクラスをとっています。学校では学べないプログラミング言語やソフトウェアを学んでいます。その学年の習う物事に囚われずに、オープンマインドでいられると、子供への可能性がたくさん見えてきます。それがとても大切です。
ホームスクールのコミュニティーに属していますか。
毎年カンファレンスを開催している団体に属しています。その団体はホームスクールの始め方や、法律でのアドバイスなどをしてくれます。ホームスクールの団体はたくさんありますし、新しい団体も立ち上がっています。
ホームスクールを考えている家族にどんなアドバイスがありますか。
「まず、やってみよう!Just do it! 」もし、長い間、学校に通っていたのであれば、deschoolingして、学校での当たり前を疑わなければなりません。学校に通っていた時の、ストレスがかなり溜まっているかもしれません。その過去の学校での教育方法やそこでのストレスと向き合い終わるまでは自分たちが作っていく教育に全身全霊を尽くせないかもしれません。それは、自分の心の声に耳を傾け、何を学んでいきたいかを知らなくてはならないからです。ホームスクールを始める前に、一般的なホームスクールのやり方を学んでください。そして、どんなやり方が自分の子供にあっているだろうかと考えてください。自分が子供の時にしてきたやり方というのは当てはめる事はできないかもしれません。次に、ゆっくり始めてください。ホームスクールを始めたての保護者が陥る間違いは、たくさんの市販のカリキュラムを購入する事です。そして、多く買っても、子供がやらないという場合もあります。お金の無駄です。無料のオンラインで学べるものもたくさんありますので、試してみてください。次に、もし、上手くいっていないものがあれば、変えてみてください。子供たちが嫌っているものを、せっかく買ったのだからという理由で与え続けないでください。子供たちは学ぶ事が楽しい事だと経験しなければなりません。そして、自分たちの教育の責任は自分が持つという自覚を知らなければなりません。