ギフティッドの子供で一人で遊んでいる場合、それには、色々な理由がありますよね。同年代の子供たちだと、何か物足りなかったり。
また、似たような趣味でも誰もそのレベルで興味を持っている子が周りにいなかったり。
また、「頭の中で描いていること」その世界観は本人でさえも言葉や形にすることができないかもしれません。そして、人に何度も説明することが嫌いな子も多いです。
また、どれくらいの「思い」でやりたいかというのも共有しづらいかもしれません。
結果、「自分が好きにできる」「自分のペースでできる」「説明をしなくても済む」状況になってしまっているのかもしれません。
でも、みんなと遊びたくないわけではない。逆に、みんなと遊びたいし、友達だって欲しい。理解してくれる人が欲しい。親友が欲しい。
親が「一人で遊ぶタイプなんです」というのは、既にタイプ分けをしてしまっている。「今のところは、一人で遊ぶことが好きみたいです」の方が良いでしょう。
もしかしたら、「お互いにインスパイアしながら」の良さをまだ知らないのかもしれません。グループでのワークになると、「ウチの子はできるかな?」と、既に親が諦めているかもしれません。結果、子供たちは成長の機会を失っているかもしれません。
その場合、子供は意外な自分の一面をみることはないでしょう。 ギフティッドの子供たちの中には、こういった特徴が 「諸刃の剣」となり、衝突の原因になる場合もある。
– 周りや自分への期待が大きい。- 批判的- 独創的- 完璧主義
しかし、グループワークの中での衝突はよくあることです。衝突は成長の機会です。ある意味、ぶつかり稽古が必要不可欠です。
みんなで遊んだり、授業のグループワークやプロジェクトの時、大喧嘩している事多々あります。休み時間とか、言い合いで終わってしまう子たちもいます。
例えば、鬼ごっご。とっても簡単な鬼ごっご。そこにルールを足して、より複雑にし喧嘩になる。クラスでのペアでのプロジェクト、一人は締め切り間近で何でも仕上げる生徒。一人は何でも余裕を持ってタイムライン通りにする生徒。プロジェクトが進行していくに連れてケンカになっていました。
「僕がリーダーになりたい!」
リーダーになりたい理由はリーダーシップを発揮して、導きたいのではなく、大抵の場合は自分の意見を通したいから(笑)
「みんな僕の話を聞いてくれない!」と怒っている子がいます。
みんな聞いているんです。
ただ、彼の思い通りになっていないんだけなんです。必ず必要になるのが「折り合いをつける」ということ。
この「折り合いをつける」は決して「諦めて受け入れる」ということではありません。
「 Agreement with = 折り合いをつける」お互いに生じている気持ち、生じている自分の気持ちに耳を傾け、それを acknowledge – 受け入れること。
1.「生じているお互いの気持ち」との折り合い だから、お互いの気持ちを知らなければならない。自分の気持ちを伝えなければならない。すなわち、「折り合いをつける」というのは、相互の「生じている気持ち」を伝え合うこと。
そして、相手も自分もその「生じている気持ち」に圧倒されているのであれば、タイムアウトをとらなくてはならない。自分はイライラしている。自分は怒っているなど。「生じている気持ち」を受け入れる。
How are we feeling? – 今、私たちはどんな気もちになっている? 生徒によっては、何も言えないかもしれません。
また、理由は言わず、生じている感情だけかもしれません。生徒A “………………”生徒B “ I am frustrated 私はイライラしてる”生徒C “ I am frustrated because you don’t listen – 僕はイライラしてる。
その理由は君が聞かないから”この時、大切なのは、強調するのは、自分がどう感じているか。原因ではない。
2 .「生じている自分の気持ち」との折り合い 生じている気持ちに圧倒されているのであれば、その気持ちと向き合わなくてはなりません。気持ちを伝えたあと、次のステップにいける生徒もいれば、タイムアウトをとって、その気持ちと向き合わなくてはならない子もいます。
ここで大切なのは、子供それぞれの状態があるので、それぞれの対応をしなくてはならないということ。「Come back when you are ready – 準備ができたら、戻ってきて」と言える生徒もいれば、”Hey, deal with it – 対処しろ”と冗談交じりに短くアドバイスすることもできます。
また、具体的なステップが必要な子もいます。
3.「Are you part of the solution or part of the problem?君は問題解決の一部なのか。問題の一部なのか。」 まず、そこから一歩前進したいか思いを確認する。
「どうやってやりたい?」
この時、大抵の場合は、ステップの確認、工程の確認、また、ケンカをしないように、やる内容を公平になど話し合うことでしょう。例えば、自分が思う正しいやり方をお互いに説明しようとするかもしれません。
例:テントの設置など「僕はポールをこっちに入れた方が良いと思う」「前にやった時は、ペグを先に打ったと思う」自分の考えを述べる。
明確にいうと、ここが感情知性を育んでいる子と育んでいない子に大きな差がでます。感情知性を育んでいる子は、これまでの気持ち、そして、これからの気持ちを大切にするからです。
話し合うべきことは”How do you want to feel while you are doing it? やりながらどんな気もちになりたい?”
「応援し合っているなと感じながら、やりたい」「お互いに耳を傾けているなと感じながら、やりたい」「楽しいと感じながらやりたい」
4. 最後にCommitment – コミットメントお互いにお願いすること、自分ができることを話し合う。お互いにコミットする。
具体的にはどんな言葉が必要なんだろう。具体的にはどんな返事が必要なんだろう。どんなコミュニケーションの取り方がいいんだろう。そのためには、e-statement (応援する言葉)を使う!
大切なのは、これがプロセスであるということと、皆が共通して取り組むプロセスだということをお互いに理解していること。
そして、どの時点でもタイムアウトを取ることができる。タイムアウトの取り方はそれぞれ。そして、タイムアウトが自ら取れない子もいる。「解決の一部となる」コミットメントができたら、戻ってくる。
この時、先生、大人はどんな役割で、どんなことができるか。まず、「橋渡し役」であるということと「Put it in perspective 状況を大局的に見せてあげる」ことができる。
こういった機会というのは子供たち自身が大人がいなくてもでできるように教えていく。ソーシャルエモーショナルスキルだ。 こういった説明をすると、こういった声を聞く。
「そんな時間ないんです。」
「そういったことができる先生がいないんです。」
「それって大変ですよね。」
そういう時は、私はこの質問をします。
「Are you part of the solution or part of the problem?君は問題解決の一部なのか。問題の一部なのか。」
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